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1997年の衝撃作『パーフェクトブルー』が4Kリマスターでスクリーンに帰ってきた。
初めて観た人にも、当時の衝撃を知る人にも、いまだからこそ刺さる何かがある。
映画館で観る、この作品の「温度」を久しぶりに味わってきた。

この記事の目次

静かなレイトショーの時間が好きだ

今回も、仕事帰りにふらっとレイトショーへ。
人の少ない映画館って、あの静けさがたまらなくいい。
スクリーンと自分だけが向き合っているような、
日中には味わえない“密度の濃い時間”が流れる。

仕事の緊張が少しずつほどけて、
暗闇の中で映画の世界に沈んでいく感じ。
私にとってレイトショーは、
ちょっとしたご褒美であり、心をリセットする儀式みたいなもの。

4Kで鮮明になった『パーフェクトブルー』の世界を、
静かな夜にじっくり浴びられたのは本当に贅沢だった。

名作が、またスクリーンに戻ってくる喜び

先日、今敏監督『パーフェクトブルー』の4Kリマスター版を観てきました。
もう冒頭から、「ああ、この質感、この空気!」という懐かしさと、リマスターならではのクリアさが混ざり合って胸がいっぱいに。

“昔の名作がリバイバル上映される”
この文化そのものが、私はとても好きです。

映画というものは、やっぱり映画館で観ると印象がまったく違う。
作品がつくられた当時の時代背景や、社会の空気、クリエイターの温度——そうしたものがスクリーンから立ち上がってくる感じがする。

今敏監督の「いま観ても刺さる」世界観

『パーフェクトブルー』は1997年公開の作品。
SNSもまだなかった時代に、「自己イメージの分裂」「現実と虚構の揺らぎ」「アイドルという存在の脆さ」に切り込んだ、あまりにも先鋭的な映画。

『妄想代理人』も近い妄想・幻想が具現化して事件が起きるって話だけど、パーフェクトブルーと近いものを表現していて面白い作品。

今回パーフェクトブルーを4Kで観ると、
背景の描き込み、光の入り方、キャラクターの微妙な表情、
どれも当時のアニメーション技術の高さにうなりながら、
「時代を超えて観られる作品って、こういうことなんだ」としみじみ思った。

平成アイドル文化と“自己の乖離”を描くサイコホラー演出

『パーフェクトブルー』を観てあらためて感じたのは、
平成時代のアイドル文化を背景にした“精神の乖離”の描き方のうまさ。

ファンに理想化され続ける「清純で潔癖なアイドルとしての自分」と、
女優として人気狙いの過激な演出にも挑戦し「売り物としての女性性を押し出していく自分」
その二つの像が少しずつズレていき、
どっちが現実で、どっちが幻想なのか分からなくなる——
この感覚を映画的に表現する技術が秀逸だった。

特に私は、画面の明度の使い方にすごく惹かれた。
明るさと暗さのコントラストが、主人公の心の揺らぎをそのまま映しているようで、
観ていて内側がざわっとする。
心理描写を“光”で語る演出、今見ても全く古くないどころか、むしろ刺さる。

映画そのものが、じわじわと観客の精神を侵食してくるような感覚があって、
これぞサイコホラーの醍醐味だなと。

デジタルリマスターは“タイムカプセルを磨く作業”

古い作品を蘇らせるということは、ただ画質を綺麗にするだけではなく、
「もう一度この作品を届けたい」という意思そのものの表れだと思う。

リマスター上映があることで、
・若い世代が名作に触れられる
・当時リアルタイムで観た人が再体験できる
・作品の寿命が延びる

こうした文化の循環が続くのは、ほんとうに嬉しい。

■ “映画館で観られる今”を大事にしたい

配信でなんでも観られる時代だけれど、
スクリーンで観る体験は別物。

音の迫力、空間の暗闇、観客との共有感、
そして作品に“飲み込まれるような感じ”。

今回『パーフェクトブルー』を観ながら、
「やっぱり映画館に行くっていいな」とあらためて思った。

■ 名作のリバイバル上映、もっと増えてほしい

今回の4Kリマスター版は、
作品の強度と、今敏監督の才能のすさまじさをあらためて突きつけてくれる体験でした。

昔の名作がリバイバル上映されるたび、
私は“文化がちゃんと循環している”という安心感を覚える。

銀河英雄伝説の劇場版2作4Kリマスター版で上映してくれたのがとっても嬉しかった。毎年やってほしい・・・!

この動き、これからもどんどん続いてほしい。

今日観た映画が、また私の中の“世界の見え方”を少し変えてくれた。
こんな瞬間に出会えるから、やっぱり映画はやめられない。

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劇場で観る体験も最高だけれど、
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