【社会問題に直結】フードバンクでお手伝いを始めて見えてきたこと。

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最近地域にあるフードバンクでボランティアを始めたんです。
フードバンクとは言葉通りにはなりますが食べ物の銀行、ですね。

フードバンクの活動とは
フードバンクの活動は企業や一般の方々から自分には不要だけどまだ食べられるもの(缶詰とかパスタとか賞味期限が残っているもの)を寄付してもらって、生活や食事に困っている人たちに提供する仕組みです。
手元に置いておいても食べないでダメにしてしまうフードロス問題を解消できるし、食べ物に困っている人に食品を提供して「飢え」をなくして命を守ることができる。
とても素敵な活動だと思いました。

実際に私が行うお手伝いの内容としては、物流センターで野菜や果物を受け取って、利用者さんごとに選別・配達です。
利用者さんごとの希望をヒアリングして、宗教上の理由で豚肉が食べれないとか、料理をしないので調理をしないでそのまま食べれるような物が良いとかを考慮して食品を選びます。

レトルト食品や生活に必要な物の他に旬で新鮮な野菜も入れているので結構立派な食品セットになります。

配達の際に利用者さんと軽い会話をしましたが、求職中の方で
「履歴書を送ったり面接の予定を入れたり努力しています。なるべく早くフードバンクのサポートから卒業できるように頑張ります」
とおっしゃっていた方がいました。

たしかにフードバンクは利用者さんに永続的に利用を促すものではなく自分で生活が安定できるようになり「卒業」を目指すものではあります。
でも、利用することに申し訳なさとか、心苦しさとか感じる必要なんてなくて
こういう人を支援するサポートがもっといろんな分野であったら良いのになと思いました。
日本って、自己責任論の押しつけがとても強いですよね。

「失業したのはお前がその仕事の将来性や危険性を予測できなかったからだ」
「生活が困窮するのは、お前の努力や根性が足りないからだ」

とかね、その人自身の能力や才能の無さや選択の責任を責める風潮がとても強いと思います。

誰しも好きでそんな状況になろうとしてなったわけじゃないし、なってしまったときは何でも利用できるもの利用して元気に幸せになって良いと思うんですよね。

私自身も公の制度を使って職業訓練行っていろんなこと学んだり、今回の新型コロナの影響で失業して「住居確保給付金」申請して国からお金もらって生き延びているので。
フードバンクの活動がたくさんの人に知られて、利用する人が簡単にサポート制度の情報にアクセスでき、そして余裕のある人はボランティアや支える側で時間の寄付をしたり、支え合う共助のパイプが強くなることを願っています。

なたりー
国の制度でもなんでも使って幸せになるべきだと思います。
そのことに対して、申し訳なさや恥ずかしさとか感じる必要はないんじゃないかな。

新型コロナウイルスの影響、ひとり親とその子どもが生活に困窮している現実
ニュースコロナ、母子家庭18%で食事減 支出切り詰め、困窮浮き彫り|共同通信

新型コロナウイルスの感染拡大で、母子家庭の18.2%が食事回数を減らし、14.8%が1回の食事量を減らしていることが6日、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の調査で分かった。勤務先の休廃業や労働時間の短縮で、元から少ない収入がさらに減少。学校給食の停止による食費増などで、支出を切り詰めても困窮状態にあることが浮き彫りとなった。

新型コロナウイルス(Covid-19)で学校が休校になり、学校給食が大事な食事の機会であった家庭も多い。
シングルマザーのフードバンク利用者さんでも自分は仕事があるため朝4時に起きて朝・昼・晩の三食分のお弁当を用意して子どもに持たせていると言っている方がいました。
それだけ学校の給食が助けになっていたのだとも思いますし、そもそも低収入でやりくりしていた家庭がコロナでさらに収入が減り食費を削らなければいけない状況に追いやられているということです。

なたりー
こんなに大量にものをつくって、廃棄して。
かたや食べ物がなくて飢えている人がいる。変な国。

私、お金はなくてもとりあえずお腹が膨れていればまた頑張って働いて稼ごうって気持ちになれるんですよね。
飢えている人がいること、食費を切り詰めないとやっていけないって本当に追い詰められている状況だと思うんですよね。

こういう国や世界規模で危機が起きた際に、弱い立場の人から先に困窮に追いやられるんだと実感します。
国が先導してサポートして救わなければいけない人たちがいるのに、日本の政府はやることなすこと全てが愚鈍だとも思ってしまいます。

この記事の目次

しかるべき機関に繋ぐ役割

また、フードバンクかわさきの活動はDVや虐待などの「ファミリー・バイオレンス」の当事者支援の一環として行われています。
貧困や生活が困窮に陥る理由は様々だと思います。
例えば、生活保護が必要な方、うつなどの症状が見受けられる方、DV被害に遭われている方など、実は公のサポート制度が必要なのに自分が利用できる制度を知らなかったり「自分には利用できない」と思い込んでその保護制度を受けるべき人が網の目からこぼれて落ちてしまっている現実があります。
フードバンクでは、原因に対して適切な支援機関に繋いだり、制度を利用するサポートをおこなう役目もになっているのです。
私は生活に困窮した人々と公の機関をつなぐこのハブ的(中継地点のような)フードバンクの活動にとても驚きましたし、社会にとってこのような役割を担う組織がもっとたくさんあるべきではないのだろうかと思いました。

私がスーパーやホテルのレストランで働いて感じた「こんなにものを捨てるのか」事例

私は食べることが大好きで、野菜もお肉も魚もお菓子もばくばく食べます。
家で出されていた食事もお茶碗に米粒が残っていると「頑張って育ててくれた人がいるんだから、もったいないからちゃんと全部食べなさい」なんて言われる家庭でした。
だから、食べ物を粗末にすることに対しての罪悪感やもったいないという気持ちを持っています。

そんな私がスーパーで働いてたときにかなりショックだったのは大量のまだ食べることのできる食品が生ゴミとして毎日捨てられていくところでした。

「値下げしてもこれは売れないから」という理由で、容赦なく捨てられていく食品たち。
「バチが当たるぞ!!」と思ったのでした。

なんかそのまま生ゴミとして捨てるくらいなら、店の中に「もったいないキッチン」「フレッシュジュース屋」とか設けてものを無駄にしない&格安で提供できるような仕組みつくったりとか
店の敷地内でニワトリでも飼って廃棄の野菜をあげて育てて産んでくれた卵で料理でもしようよ…とか思っちゃったんですよね。。

また、ホテルのビュッフェ形式のレストランで働いていた時も毎日大量の料理が廃棄になっていくのを見てきました。
ビュッフェ形式という食事の提供方法だから、たくさん料理がないと見栄えがしないのも分かりますが
まだ食べれる料理は寄せ集めてお弁当にしてスタッフたちで食べたり、有効的な活用はできないのかなと思いました。
ほんとまだ食べられる食材たちが捨てられていくのを見るのがつらい…心苦しい…
いろんなものを無駄にして、こんな形で経済回してて良いのだろうかと思ってしまったのです。

日本の食品ロス問題って、本当にみんなが意識を持たないと解決しない
スーパーやコンビニってゴミの排出量が凄まじいんですよね。
今の日本社会の経済、モノをたくさん作って、売れなければ捨てる。
そして捨てるために私たちの税金が使われている。
コンビニスーパー売れ残り廃棄に税金使われるのに「事業ごみは事業者負担で税金0」の誤解は企業に好都合?|yahoo!ニュース

消費者である私たち一人一人も、これは無関係ではありません。企業側の問題とだけにしないことが重要です。
スーパーに並ぶ商品で、すこし形や色が変だから買わないと選別する行為が企業が「たくさん作り、たくさん捨てる」ことを促しているのです。
企業はたくさんの廃棄が出ても、買われた商品の金額のなかに「廃棄品処理分のお金」を含ませています。
商品を買った人が、無闇につくって捨てるために作られた商品の処理コストを負っているのです。なんか、変な話ですよね。

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)の井出留美さんが食品ロス問題について書かれた記事が非常に勉強になります。
井出留美 執筆記事一覧|yahoo!ニュース

海外の成功事例を見てみよう

なたりー
規格外野菜って、ふぞろいだけど「おいしい」は変わらない。

規格外野菜を活用する海外の事例を紹介。日本の食品ロス問題の解決策となるか!?
規格外野菜とは・意味|IDEAS FOR GOOD 世界を良くするアイデアマガジン
青果版フランス革命?大手スーパーカルフールが開く「規格外野菜のブラックマーケット」|IDEAS FOR GOOD 世界を良くするアイデアマガジン

アメリカではあえて規格外(色や形が一定基準に当てはまらない、だけど問題なく食べることができるもの)を生産者から買い取り、スーパーに並ぶ商品の30~50%の値段で買うことができる。
生産者も、規格外の商品を売ってお金になるし、消費者は普通より安い値段で野菜が手に入る。素晴らしい仕組みです。

フランスでもブラックマーケット(闇市)という名前で規格外の商品を販売する市場を運営しているところがあるそうです。

日本でも「ふぞろい野菜」を売って食品ロス問題に取り組んでいるオイシックス
日本だとOisixオイシックスさんが規格外野菜を販売しています。
オイシックス、「ふぞろい」「たくさん採れすぎ」の野菜、果物が、長雨や台風による野菜高騰を背景に売上3倍増
たべもの安心宣言|オイシックス
規格外野菜も言葉の感覚として「ダメな品質の商品なのでは?」とイメージさせやすいのですが「とれたてのふぞろいな野菜たち」と言うとなんだかお得で、料理して美味しく食べたい!という気持ちになりますよね。

捨てること前提で大量につくって大量に捨てるサイクルって、資源も限られている地球ではもう時代遅れなのではと思います。
利益だけを追い求めて環境を壊してきたしわ寄せを次世代に残さないために私たちができることってたくさんあるんじゃないかな。

フードバンクの活動に興味のある方
フードバンクの活動に興味のある方は自分の住んでいるエリアのフードバンクの団体がないか探してみてください。
わたしは神奈川県川崎市のフードバンクかわさきでボランティアをしています。
何か活動について質問などがあれば問い合わせからどうぞ。

あまった食材で料理教室!フランスのリヨンで行われている活動プチ・カンティーン


フランスのリヨンで行われているプチ・カンティーンは
余った食材を使って無料の料理教室を開いている。
料理教室で作られた料理は地域の人々に振舞われる。
値段は買う人が決める方式だ。経済的に余裕のない人もお金がなくても食事を得ることができる。

主催者のギャランスさんは地域の人々と交流がしたかったのと料理を作るのも食べるのも好きだということを組み合わせた活動がしたかったと語る。
料理の売り上げを運営に充てて活動を続けていて、誰かが無理をして成り立っている活動でもないことが素敵な発想だと思う。

Les Petites Cantines PERRACHE
実際にLes Petites Cantines PERRACHEのページを見てみたんですがとっても素敵でした!
作る人にも食べる人にも広く開かれていて…地域でいろんな方とのつながりが生まれる場所ですね。
素晴らしい取り組みだと思います。

子ども食堂は難民キャンプと変わらない。国と政府の責任を問う

私は2021年横浜市長選で田中康夫さんを応援していたのですが
田中康夫さんは子ども食堂について
「子ども食堂って、今6000箇所以上になってる、全国で。子ども食堂やってる人は趣味でやってるわけじゃなくて、自力でやってる。つまりそれだけ子どもの食生活が行き届かないってことは、もしかして難民キャンプがある国と同じようになってるのでは。」とおっしゃっていたんですよね。

とてもしっくりくる表現だと思っています。

日本社会で国の支援でなく民間の人たちが子どもたちやその親御さんの家庭を心配してこうした子ども食堂やフードバンクがあるって難民キャンプと変わらないですよね。
本来であれば国・政府がその人たちが食いっぱぐれないように支援していくべきはずが
民間がやってくれているからとあぐらをかいているわけです。
なんなら「遠慮なく子ども食堂を利用して」なんて勧めちゃってるんです。仕事しろよ、と思いますよね。

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