YouTubeで見た、美しく悲しいLIVEだった。
元ちとせさんの歌声は昔から好きだった。
私の世代にとっては、アニメ『BLOOD+』の主題歌を歌っていた人、という印象が強いかもしれない。
けれど今回の映像で心を打たれたのは、その歌声の美しさだけではなかった。
戦後80年という節目に、埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館で歌われたその姿から、「語り継ぐ」ということの意味を考えさせられたのだ。
映像の中で元ちとせさんは、反戦歌として知られる「死んだ女の子」も歌っている。
この曲は、広島に投下された原子爆弾によって命を奪われた7歳の少女を題材にした作品で、プロデュースを手掛けたのは坂本龍一さんだ。
私は戦争を知らない世代だ。
原爆を体験したわけでもない。
それでも、この歌を聴いていると、一人の少女の人生が突然断ち切られたこと、その悲しみの一端に触れたような気持ちになる。
歴史を学ぶことと、誰かの痛みを感じることは少し違う。
音楽には、その距離を縮める力があるのかもしれない。
原爆の図丸木美術館は、丸木位里さん・丸木俊さん夫妻が描いた「原爆の図」を展示する美術館だ。
戦争や原爆の記憶を伝える場所でありながら、同時に「人間とは何か」を問い続ける場所でもある。
戦争体験者が少なくなっていく今、こうした場所や歌の存在はますます大切になるのだろう。
最近、私はHOPEPUNKという言葉が好きだ。
絶望がない世界を信じることではない。
絶望を知ったうえで、それでも希望を手放さないこと。
戦争や原爆について学ぶことは、決して明るい気持ちになる作業ではない。
けれど、だからこそ知り、考え、語り継ぐ。
元ちとせさんの歌を聴きながら、そんなことを思った。














