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「戦争になったら全部国に取られる」——そんな言葉を耳にしたことはないでしょうか。少し大げさに聞こえるかもしれません。でも実際には、大規模な有事が起きたとき、私たちの生活やお金にはさまざまなリスクが生まれます。

難しい話に聞こえますが、要は「給料は変わらないのに、生活費だけじわじわ上がっていく」という、かなり身近な問題です。

この記事の目次

① 物価が上がる——一番リアルなリスク

戦争や紛争が起きると、まず動くのは物価です。これは「可能性」の話ではなく、すでに起きたことです。2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、日本の食卓と家計に具体的な影響が出ました。

実際に値上がりした品目

ロシアとウクライナは世界の小麦輸出量の約3割を占める主要産地です。日本はウクライナから直接輸入していませんが、国際市場全体で価格が上がると、米国・カナダ・オーストラリアからの輸入小麦も連動して値上がりします。さらに2022年の急激な円安がこれに追い打ちをかけました。

③ 預金の「価値」が目減りする

預金口座の数字が消えるわけではありません。しかしインフレが進むと、100万円で買えていたものが買えなくなります。お金の量ではなく、お金の力が弱まるイメージです。

④ 税金・社会保険料の増加

国防費が増えると増税の話が出てきますが、それと同じくらい生活に影響するのが「社会保険料の引き上げ」です。給与明細に並ぶ控除項目を「よくわからないもの」として流している人も多いのではないでしょうか。

社会保険料とは何か

社会保険料とは、病気・老後・失業・介護といったリスクに備えるために、毎月の給与から自動的に天引きされる保険料です。会社員の場合、5種類の保険が適用されています。

月収30万円の会社員が実際に負担する社会保険料は、概算で月3〜4万円程度になります。手取りが20万円台になるのはこれが大きな理由のひとつです。

なぜ有事に上がる可能性があるのか

日本はすでに高齢化による医療費・年金・介護費の増大で、社会保険料の引き上げが続いてきた歴史があります。有事になれば財政はさらに圧迫され、社会保険料の料率引き上げという形で、じわりと手取りを削ってくる可能性があります。「増税」として騒がれにくいぶん、見えにくいコスト増です。

⑤ 保険はどうなる?

「戦争になったら保険金が出ない」は、半分正しくて半分誤解です。火災保険・生命保険・傷害保険などには「戦争・武力行使による損害は免責」という条項が含まれることがあります。ただし、すべての保険が一律で支払われないわけではなく、契約内容によります。加入している保険の約款を一度確認しておくと安心です。

⑥ 財産の没収——過去には実際に起きた

「預金も土地も全部取られる」は現在の日本の法制度では直ちには起きません。ただし歴史を振り返ると、終戦後の1946年に日本では預金封鎖と財産税が実施されました。「あり得ない話」とは言い切れない、という認識は持っておいて損はないでしょう。

まとめ——「遠い国の話」ではない

戦争のリスクは、ミサイルや兵隊の話だけではありません。

「給料はそのままなのに、生活費だけ上がっていく」——それが有事における家計への影響の、もっとも現実的な姿かもしれません。難しい思想の話よりも、こういう生活実感のある角度から考えてみることが、最初の一歩になると思います。

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