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「戦争になったらお金はどうなる?」——遠い話ではなく、コンビニのおにぎりの話
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この記事の目次

「戦争になったらお金はどうなる?」——遠い話ではなく、コンビニのおにぎりの話

2026年 · 読了時間:約6分

「戦争になったら全部国に取られる」——そんな言葉を耳にしたことはないでしょうか。少し大げさに聞こえるかもしれません。でも実際には、大規模な有事が起きたとき、私たちの生活やお金にはさまざまなリスクが生まれます。

難しい話に聞こえますが、要は「給料は変わらないのに、生活費だけじわじわ上がっていく」という、かなり身近な問題です。

① 物価が上がる——一番リアルなリスク

戦争や紛争が起きると、まず動くのは物価です。これは「可能性」の話ではなく、すでに起きたことです。2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、日本の食卓と家計に具体的な影響が出ました。

実際に値上がりした品目

エネルギー
電気・ガス代
日本の電気料金は2020年比で約3割上昇(2023年1月時点)
エネルギー
ガソリン
原油価格高騰と円安が重なり急騰。通勤・物流コストに直撃
主食・穀物
パン・麺類
小麦価格が国際市場で急騰。山崎製パンが2022年7月に平均7.1%値上げ
主食・穀物
カップ麺・パスタ
小麦・トウモロコシ・大豆すべてが連動して上昇
調味料・油脂
食用油・バター
原料の大豆・菜種価格が上昇。家庭用食用油は一時品薄にも
外食・加工品
ラーメン・給食
原材料・光熱費・輸送費が三重に値上がりし価格に転嫁

ロシアとウクライナは世界の小麦輸出量の約3割を占める主要産地です。日本はウクライナから直接輸入していませんが、国際市場全体で価格が上がると、米国・カナダ・オーストラリアからの輸入小麦も連動して値上がりします。さらに2022年の急激な円安がこれに追い打ちをかけました。

体感できる例:コンビニのおにぎりが150円から180円になる。電気代の請求が月に2,000円増える。それが続く。
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② 仕事・雇用・給与への影響

有事のとき、家計への打撃として見落とされがちなのが「景気悪化の連鎖」です。ミサイルが飛んでこなくても、雇用はじわじわと削られていきます。

「うちの会社は大丈夫」が崩れるとき

直接的な被害がなくても、企業の業績は悪化します。輸出が止まる、原材料費が高騰する、消費者の財布が固まる——こうした波は、業種を問わず広がっていきます。「うちの業界は関係ない」と思っていた会社が、気づいたら採用を凍結していた、という話は珍しくありません。

しわ寄せが来る順番

まず
残業カット
次に
非正規・契約の雇い止め
さらに
正社員の給与削減・希望退職
最終的に
倒産・整理解雇

働き盛りの正社員であっても、残業代が月3〜5万円減るだけで生活への影響は小さくありません。住宅ローン、子育て費用、老後の積み立て——収入の変化は、それらすべてに連鎖します。

「安定職種」も例外ではない

公務員や医療・福祉職は比較的安定していますが、財政悪化による給与抑制や定員削減は起こりえます。また、民間でも「インフラ系は強い」と言われますが、エネルギーコストの上昇で経営が圧迫されるケースもあります。

転職市場はどうなる?

有事・不景気のタイミングでは、転職市場も大きく変わります。求人が絞られ、選べる選択肢が減る。「今の会社を辞めたい」と思っても、外に出るリスクが平時より高くなる——そういう状況になりやすいです。だからこそ、景気が良いうちにスキルを磨いておくことや、社内での評価を積み上げておくことが、リスクヘッジになります。

働き盛り世代へ:「まだ先の話」ではなく、今の自分のキャリアと収入の構造を一度見直してみる。それだけで、有事のときの耐性はかなり変わります。

③ 預金の「価値」が目減りする

預金口座の数字が消えるわけではありません。しかしインフレが進むと、100万円で買えていたものが買えなくなります。お金の量ではなく、お金の力が弱まるイメージです。

④ 税金・社会保険料の増加

国防費が増えると増税の話が出てきますが、それと同じくらい生活に影響するのが「社会保険料の引き上げ」です。給与明細に並ぶ控除項目を「よくわからないもの」として流している人も多いのではないでしょうか。

社会保険料とは何か

社会保険料とは、病気・老後・失業・介護といったリスクに備えるために、毎月の給与から自動的に天引きされる保険料です。会社員の場合、5種類の保険が適用されています。

種類 何のため? 負担のしくみ
健康保険 病院にかかるとき3割負担で済む 労使折半(会社と半分ずつ)
厚生年金 老後の年金の積み立て 労使折半
介護保険 介護サービスを受けるための備え 40歳以上に課される・労使折半
雇用保険 失業したときの給付(失業手当) 大部分は会社負担
労災保険 仕事中のケガや病気への補償 全額会社負担

月収30万円の会社員が実際に負担する社会保険料は、概算で月3〜4万円程度になります。手取りが20万円台になるのはこれが大きな理由のひとつです。

なぜ有事に上がる可能性があるのか

日本はすでに高齢化による医療費・年金・介護費の増大で、社会保険料の引き上げが続いてきた歴史があります。有事になれば財政はさらに圧迫され、社会保険料の料率引き上げという形で、じわりと手取りを削ってくる可能性があります。「増税」として騒がれにくいぶん、見えにくいコスト増です。

ポイント:社会保険料は給与から自動天引きされるため、「気づかないうちに手取りが減っている」という状況になりやすいです。料率の変更は毎年ニュースになるので、チェックする習慣をつけておくと変化に気づけます。

⑤ 保険はどうなる?

「戦争になったら保険金が出ない」は、半分正しくて半分誤解です。火災保険・生命保険・傷害保険などには「戦争・武力行使による損害は免責」という条項が含まれることがあります。ただし、すべての保険が一律で支払われないわけではなく、契約内容によります。加入している保険の約款を一度確認しておくと安心です。

⑥ 財産の没収——過去には実際に起きた

「預金も土地も全部取られる」は現在の日本の法制度では直ちには起きません。ただし歴史を振り返ると、終戦後の1946年に日本では預金封鎖と財産税が実施されました。「あり得ない話」とは言い切れない、という認識は持っておいて損はないでしょう。

📖 歴史的な事例
1946年(昭和21年)、日本政府は預金封鎖を実施。引き出せる金額に制限を設けたうえで財産税を課し、戦後のインフレ抑制と財政再建を図りました。

まとめ——「遠い国の話」ではない

戦争のリスクは、ミサイルや兵隊の話だけではありません。

日常に直結
物価・光熱費
エネルギーと食料がまず動く。すでに経験済み
収入側
給与・雇用
残業カットから始まる静かな連鎖
資産側
預金の購買力
数字は変わらなくても価値は下がる
制度側
税・社会保険
気づかないうちに手取りが減る

「給料はそのままなのに、生活費だけ上がっていく」——それが有事における家計への影響の、もっとも現実的な姿かもしれません。難しい思想の話よりも、こういう生活実感のある角度から考えてみることが、最初の一歩になると思います。

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