
最近、お粥にはまっています。
きっかけは、少し胃が疲れていた日の朝。
なんとなく温かいものが食べたくなって、余っていたご飯を土鍋に入れ、出汁を注いでコトコトと火にかけたのが始まりでした。
一人用の小さな土鍋が、思いのほかちょうどいいサイズで。
お米がふわっと膨らんでいく様子を見ていると、不思議と心が落ち着きます。
冷凍庫からエビを数匹取り出してそのまま入れ、仕上げに溶き卵を回し入れる。
火を止める直前に、ごま油を数滴垂らすと、ふわっと立ちのぼる香りがたまらない。
ほんの少しの香づけで、朝の台所が中華粥屋のような温もりに包まれます。
お粥って、いい意味で“貧乏飯”なのかもしれません。
お米は一膳分でも、たっぷり水を吸って膨らむから見た目にも満足感があるし、冷蔵庫にあるものでなんとでもなる。
出汁の代わりに中華スープやコンソメでもいいし、梅干しや生姜を加えてもおいしい。
シンプルなのに、無限にアレンジができるところも気に入っています。
朝の食卓で、湯気の向こうにぼんやり光が差す時間が好きです。
忙しい日ほど、こういう小さな「間」を作ることで一日が穏やかに始まる気がします。
お粥をすすりながら、「今日もなんとかなるか」とゆっくり深呼吸。
食べすぎた翌日や、なんとなく気持ちが沈む日にも、お粥はやさしく寄り添ってくれる。
体を整えるというより、“立て直す”感じ。
熱すぎず、柔らかすぎず、ちょうどいい温度と優しさで心まで解けていくようです。
派手さもトレンド感もないけれど、こういう「地味に続けたい食べもの」が、結局いちばん自分を支えてくれている気がします。