ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニさんについて紹介する、山崎憲さんの投稿を読んだ。
マムダニさんがポッドキャストで語った社会主義と民主主義の関係を解説するものだったのだけれど、読んでいて、日本にもこういうことを自分の言葉で伝えられる政治家が増えてほしいと思った。
私が心を動かされたのは、人が尊厳を持って暮らせることを、政治の目標として据えているところだ。
住む場所があること。必要なときに子どもを預けられること。移動できること。
どれも、ぜいたくをするためのものではない。生活を続け、社会に参加するための土台だ。
マムダニさんは、家賃の値上げ凍結や公共バス・保育の無償化などを掲げ、市民の暮らしを支える政治を訴えてきた。私は、こうした具体的な生活の問題から政治を語る姿勢に希望を感じる。
頑張る人が、安心して暮らせる社会に
私自身、働いて収入を増やそうとしている。資格を取り、経験を積み、自分にできることを増やしてきた。
それでも、個人の努力だけで生活の不安をすべて解消するのは難しい。
家賃や生活費を払って、体調を崩したときに備えて、将来のためのお金も残す。働いているのに、いつもどこかに不安がある。
そんなとき、公的な支えが自分にも届くと感じられなければ、「もっと自分で稼ぐしかない」と考えるようになる。
私にも、そういう気持ちがある。
未婚で子どもがいない私も、働いて税金や保険料を納め、社会を支えている一人だ。子育てへの支援は必要だと思う。そのうえで、私のような立場の人にも、安心して暮らせる土台がほしい。
誰かへの支援を減らしてほしいのではなく、それぞれの暮らしに必要な支えが届いてほしい。
政治に期待できず、自分の生活を守ることだけで精いっぱいになれば、社会のことを考えたり、人とつながったりする余裕も失われていく。
だから、生活の安心をつくることは、民主主義を支えることにもつながるのだと思う。
民主主義を、選挙の日の外へ
山崎さんの投稿で、特に印象に残ったのが、民主主義を投票箱の外へ広げるという説明だった。
選挙で一票を投じる。その先の職場や住まいでも、自分に関わることに声を届け、決定に参加できるようにする。
私は、これまでいろいろな職場で働いてきた。
働く時間や給料、休憩の取り方、仕事の進め方。自分の生活や健康に深く関わることなのに、働く側が意見を言いにくい場面はあった。
疑問を伝えたら、面倒な人だと思われるのではないか。改善を求めたら、居づらくなるのではないか。
そうやって声を飲み込むことが続くと、決められたことを受け入れるしかないと思ってしまう。
でも、働く人にも経験があり、現場を知っているからこそ気づける問題がある。
その声を聞いて、一緒に考え、変えていけること。暮らしの中にそうした機会を増やしていくことも、民主主義なのだと思う。
日本にも、こうした方向を目指している政党はある。
いのちの党(旧れいわ新選組)、日本共産党、社民党などの政策には、生活の保障や格差の是正、働く人の権利を大切にするという点で、マムダニさんと重なる部分があると私は感じている。
日本の政党にも、重なる理念がある
生活の保障、格差の是正、働く人の権利。 マムダニさんの考え方との共通点を、各党の政策から考えました。
暮らしを支える公共サービス
いのちの党 旧れいわ新選組
積極的な財政支出による生活支援と公共サービスの拡充。 富裕層・大企業への課税による格差是正にも、 重なる方向性があります。
基本政策を読む →経済にも民主主義を
日本共産党
生活保障に加え、政治だけでなく経済にも民主主義を広げる という理念。複数政党制や選挙による政権交代も明示しており、 今回紹介された考え方と特に重なると感じます。
自由と民主主義の考え方を読む →福祉と人権を大切に
社民党
社会民主主義の立場から、暮らしや福祉、働く人の権利、人権 を重視。一人ひとりが安心して生きられる社会を目指す点に、 共通する方向性を感じます。
基本政策を読む →※各党の公式資料をもとにした筆者の比較です。 思想や政策全体が同一であることを示すものではありません。
だから、「日本にもマムダニさんが現れてほしい」という願いとともに、すでに日本で声を上げている人たちにも目を向けたい。その言葉がもっと届き、政策を実現する力が広がってほしい。
安心して暮らせることを政治の真ん中に置く人たちを、私たち自身が見つけ、支え、増やしていけたらと思う。
安心して暮らせることを、政治の真ん中に
「社会主義」という言葉に警戒する人もいるだろう。
ただ、今回の投稿を読んで私が考えたのは、どんな社会なら人が安心して生きられるのか、ということだった。
働いても生活が苦しい。
家賃が高くて、住む場所を選べない。
困っていても、助けを求めるのをためらってしまう。
そうした声を、一人ひとりの努力不足として片づけず、政治が取り組むべき問題として受け止めてほしい。
もちろん、政策には財源も必要だし、実現までの道筋も問われる。期待する政治家だからこそ、何を実行し、暮らしがどう変わったのかを見ていきたい。
そのうえで私は、人が尊厳を持って暮らすために政治を使おうとする姿勢を支持したい。
日本にも、マムダニさんのような政治家が増えますように。
生活の苦しさに耳を傾けて、それを変えるための具体的な言葉と行動を持つ人が増えますように。
そして私たちも、困っていることや変えてほしいことを伝えながら、そういう政治を一緒につくっていけますように。













