非正規職・シングル女性への社会的排除について

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なたりー
先日、川崎市溝口みぞのくちにある男女共同参画だんじょきょうどうさんかくセンター「すくらむ21」で行われた「非正規職・シングル女性の貧困」について語るイベントに参加してきました。

この記事の目次

川崎の男女共同参画センター「すくらむ21」に行ってきた


こちらが川崎市にある男女共同参画センターです。

全国に男女共同参画センターはあると思うので、興味のある方は一度訪れてみるといいかもしれません。
様々な発刊物や情報誌、NPOの活動を知ることができます。
私も一度施設を訪れたことがきっかけで男女共同参画の分野で様々な活動をしている団体がいると知りました。

関連リンク全国男女共同参画関連施設
全国に270ヵ所もの関連施設があります。

私は地元が仙台なので仙台に帰省したときはよく仙台駅の隣のアエルの中にあるエル・ソーラ仙台に行ってました。コミュニテスペースや女性に関連した書籍がたくさん置かれていて女性が安心して過ごせる場所だと感じました。

そもそも、男女共同参画ってなんなのさ

男女共同参画という言葉、学校の授業で聞いたことがあるかもしれませんね。

男女共同参画基本法という法律が1999年に施行されています。

「日本って基本的人権とか法のもとでは人は平等だけど、実際には性別による格差ってあるじゃん?国際社会的にはそういうの無くしていく方向だし、日本も直していきかないとだよね〜」って感じの法律です。

1999年に施行って比較的最近というかまだできてまだ歴史が浅い法律ですよね。
先人たちが声をあげ闘い、勝ち取ってくれた権利なのだなと思います。

「非正規シングル女性の貧困」イベントの内容

今回のイベントはパネラーの方に講演を聞いて、講演後には参加者も質問や意見を話し合うようなプログラムでした。

パネラーは日本女性学習財団第一回未来大賞を受賞した菊池悦子さん
生活保護や社会福祉がご専門の日本女子大学の岩永理恵さんの講演を聞きました。

様々な切り口で語られる「非正規職女性の貧困」、自分も当事者であるため興味深く聞きました。

まるで透明人間。社会的に排除されている非正規シングル女性
私自身、日本社会では非正規職のシングル女性って透明人間のような扱いを受けていると感じていました。
ひとり親は支援の対象になっているけど、一応仕事には就いているけど貧困状態の女性に対しての支援があるのかないのか分からない。
支援の対象として見なされていないのではないだろうかと私も感じていました。

現代の日本の賃金モデルの設定は男性が稼ぎ頭として働くケースしか想定されていない。
例えば独身で、一人で生きる女性が十分に暮らしていけるだけの賃金設定、採用、昇給・昇進のステップがない。
そもそも非正規職で働くと自分ひとり生きていくのもやっとな額の賃金っておかしいよね。
非正規職女性の生存戦略は早く自分の経済的負担を解消するために結婚する相手を探すか、家庭を築いたり子どもを持つことを諦めジリ貧で生きたり、親元でかじれるスネをかじるかのどちらかなのではないかなと思います。

女の幸せは結婚・出産だけと設定されている社会
今の日本社会の女性に対する支援は支援対象が子育てをする親を想定されたものが多い。
そこには女性は20〜40代になると結婚・出産を経験しているのが当たり前だという思い込みによるものが大きい。

いまや貧困女性は増えるばかりで結婚を諦める人も多いというのに。
女性は社会の構造的にも貧困に陥りやすい。

たとえば高卒であった場合、賃金が大卒よりも低い。
大学を卒業していないことからコンプレックスを持つ。
デスクワークや高度な専門職に憧れを持つものの「自分には学歴がないから」という理由で面接を受ける、応募することすら諦めてしまう。

サービス業など女性が就きやすい仕事に従事しても
正社員登用は夢のまた夢。
しかし業務は社員と同じように高いレベルを求められる。
自分よりも給与の高い新入社員の教育を任される。このなんとも言い難い憎しみややるせなさの気持ちを味わったことのある非正規職の方は多いのではないだろうか。

SOSを発せられる場所や、違う視点を得られる場所が必要なのだと思う
日本人はわりと恥とプライドを持っているので、他人に自分の弱いところや情けないところ、困っているところをさらけ出すことに抵抗のある人が多いイメージがあります。
今、日本の女性たちに必要なのは相談できる人やコミュニティなのではないかと考えています。

「今、お金に困っている」
「会社の人にこういうことをされた。これってパワハラなのかな」
「心がどうしても重くしずみがちで何をしても気が晴れない」

など、悩みごとや困りごとを安心して話せて

「あなたの状況ならこの給付金や支援が受けられるかもしれないね」
「私の会社だったらそれは完全にパワハラだよ!証拠を集めてかけあってみたら?」
「そっか、近所に良い心療内科の先生がいるから一度お話してみるのはどうだろう?」

と必要な機関や対処法に導ける人、アドバイスしてくれる人や場所が必

「社会的処方」を行うリンク・ワーカーの話を先日しましたが、そういう存在がいろんなコミュニティにいることだったり
何気ないことでも相談に乗ってくれるような場所があったら、必要な機関へと繋ぐ橋渡し役になれるのではないかなと思っています。

社会的処方研究所という団体が社会的処方の実践として川崎市の武蔵小杉・向河原・新城で「暮らしの保健室」という活動をされています。
ちょっと興味があるので今度参加してみようと考えています。

この問題はただ女性の賃金をあげれば良い、というだけではなく社会における性役割・分業制度によって多くの女性が自分らしい人生を歩めないという根深いものである。
男性には男性らしさ・家父長制・稼ぎ主モデルを強要し、
女性には家庭に入り妻として夫のサポートをするなら扶養のなかで貧乏にはならないで済むという国家からのメッセージがあったのだ。

もはや現代においてこの古い価値観を押し付けた仕組みはふさわしくない、きしみがでているのだ。
アップデートして現代のあり方に柔軟になっていくべきである。

例えば男性に働くことを強要するのではなく、サバティカル休暇や育児休暇、転職がもっと一般的になること、会社への忠誠心をはかるために転勤をさせたりするのではなく、もっと働き方、人生を楽しむ選択肢が用意されるべきだ。
男性にも、生きていく上でのつらさや地獄があるのだと思う。
そういうものを解消し、性別によって人生の選択肢が狭まったりするのをなくしていきたいよね。という話でもある。

そしてもちろん賃上げは絶対に必要。
正規職でも非正規職でも生きていけるだけの賃金を払うこと。そんなこともできない、上層部だけが肥えるために経営し利益をあげられない会社は淘汰されてもしかたないのだろうと思う。

最近私はこの女性の貧困問題について自分が当事者だからという理由もあるのだけど
学者さんや研究をしている人の知恵を拝借するのもとても大事なことなのだと感じている。
女性が貧困に陥りやすいことや貧困家庭が貧困状態から抜け出すことがとても容易ではないこと。
そういうことを学術的な研究や統計、データで証明していくことが必要だ。
そうすれば、どのような支援や改善すべき点、社会全体が変わらなければいけないことも見えてくる。

私がこのテーマを盛り上げていくべきだと思う理由は、私たち非正規職女性(この記事を読んでいるあなたも同じような状況であったなら)私たちは声をあげ、連帯し無視できないほど大きな声になれば社会、地域行政、労働環境、政治が変わるかもしれないのだ。
ちゃんと私たちも見てくれよ!という声をあげていこう。

また加筆・修正するかも。
とりあえず思ったことを書き綴っておく。


岩永先生の話を聞いて読みたくなった本。

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