
〜MLM・リボ払い・保険が怖くなくなる神エピソード3選〜
お金の話をするとき、なんとなくソワソワしてしまう。
ローン、保険、投資、マルチ商法…。
「よくわかんないけど、損してるかも?」という不安をずっと抱えて生きてきた。
そんな私の思考をゆるく・楽しく・深く変えてくれた漫画がある。
それが絹田村子先生の『数字であそぼ。』だ。
この記事の目次
◆ 数学苦手な文系男子が“数学の海”に飛び込む物語
主人公は、横辺建己くん。
京都の名門・吉田大学文学部(モデルは京大)に入学した彼は、なぜか数学科の講義に迷い込み、そこから本格的に数学の道に進むことになる。
一見すると「理系漫画」だけど、数字オンチあるあるや数学的思考と日常の接点がギャグや人間ドラマを通して描かれていて、文系の私でもスッと入れる。
特に、次の3つのテーマは衝撃的だった。
① MLM(マルチ商法)の落とし穴と見抜き方【第4巻】
SNSでもよく見る「一緒に夢を叶えよう」「自由なライフスタイル」――
それ、ネットワークビジネス(MLM)かも。
4巻では、横辺が美人局からネットワークビジネスの勧誘に巻き込まれそうになるのを友人の猫田がMLMのビジネスモデルを数学的観点から冷静に突く。
「このビジネスの問題点はね…
会員が指数関数的に増えないと儲け話にならないから
ライバルも指数関数的に増えるし
その商品を求めている市場に対しても
会員数があっという間にオーバーしてしまうことなんです。」
「2〜3人誘うだけでちょっとしたおこづかい稼ぎになるかもしれない」と言われるけど、ピラミッドの構造や持続不可能性が浮き彫りになる。
勧誘を断るときのセリフも学べる、めちゃくちゃ実用的なエピソード。
② リボ払いは“永遠の借金”への入り口【第8巻】
「月3,000円からOK!」の甘い言葉に乗って使いすぎてしまうリボ払い。
でも、支払いを続けても元本がまったく減らないという“地獄ループ”がある。
作中では、リボ地獄に陥っている麻雀仲間の男性に対し横辺の友人である北方が数学で説明し、気づかせてあげるシーンがある。
「ほんとうにわかりました?リボ払いが分割払いと似て非なるところは」
「使えば使うほど支払い金額の中の
元金の割合が減る
元金の減り方が緩くなる
つまり借金の期間が長くなり
結果多くの金利を払うことになることですよ」
リボの仕組みは、“複利の魔法”が悪用されている典型。
リボってどうしてダメなの?をちゃんと説明してくれる素晴らしい回。教育に良い。
③ 保険って、入るべき?“確率”で考える視点【第12巻】
「社会人になったら保険に入るのが当たり前」って思ってない?
でも、その“当たり前”に、数字で待ったをかけてくれるのが12巻。
横辺たち数学メンバーたちが入った喫茶店の近くのテーブルで、夫婦が保険会社の営業と話している内容を聞き耳してしまう。
猫田「お金を払って不安を安心に変えることがその人にとって価値があるならいいんだ
だけど不安ってさ… 考え出したら無数にあるけどね」
「保険会社はその中からピックアップして僕達に見せているだけなんだ。それが商品だからね。」
「だから不安というだけで入ってしまっていいのかな?
お金を払うのだから特別備えたいリスクなのか吟味しないとね」
この回を読んでから、保険の見直しを真剣に考えるようになった。
◆ 数学は、暮らしを守るスキルだった
「数学=受験科目」だと思ってたけど、『数字であそぼ。』を読んでからは考えが変わった。
数字で考えることは、人生を守る防御力になる。
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変な勧誘に乗らない力
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借金の仕組みを見抜く力
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保険や契約を冷静に選ぶ力
こういった“自分の身を守る力”を、ギャグあり大学ドラマを通して身につけられるのが、この作品の魅力。
正直作中の数学の問題は難しい(笑)
◆ おすすめしたい人
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お金の話になるとモヤモヤする人
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数字が出てくると、急に考えるのが面倒になる人
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「なぜか損してる気がする」と思っている人
数学は、人生で使える。
『数字であそぼ。』は、そう教えてくれる漫画です。
笑って、泣いて、ちょっと賢くなれるマネーリテラシーを向上し数学の世界がちょっと身近になる―数字オンチにこそ読んでほしい一冊!