『銀河の一票』を、ぜひ観てほしい。
今ならTVerで1〜11話の全話が視聴可能らしい。
元政治家秘書とスナックのママが、東京都知事選に挑むドラマだ。
政治を扱った作品と聞くと、難しそう、予備知識がないと楽しめなさそう、と感じる人もいるかもしれない。でも、物語を入り口にすることで、ニュースだけでは遠く感じていた政治が、自分の暮らしとつながることがあると思う。
政治に関心を持つ入り口は、もっといろいろあっていい。ドラマが面白かった、登場人物の言葉が引っかかった。そんなきっかけからでも、十分なのではないだろうか。
スナックのママが、都知事選に挑むということ
この設定に、私は「誰が政治を担うのか」という問いを感じる。
政治家になるのは、有名な人や、政治家の家に生まれた人、お金や人脈がある人。そういう人たちの姿を目にすることが多いと、自分のいる場所とはずいぶん遠い世界に感じてしまう。
でも、人の話を聞いてきた経験や、働きながら生活をやりくりしてきた経験も、社会を考えるうえで大切なもののはずだ。
制度の説明だけでは見えてこない困りごとがある。「その条件では使えない」「その金額では暮らせない」と、生活しているからこそ分かることがある。
そういう実感が、政治の場でもきちんと言葉になってほしい。
暮らしの「どうして?」を、政治につなげる
給料がなかなか上がらないこと。家賃や税金、社会保険料の負担。安心して働ける環境。困ったときに頼れる制度があるかどうか。
毎日の暮らしで感じる「どうして?」の先には、政治の決定がある。だからこそ、政治を一部の詳しい人だけの話にしておきたくない。
来年、選挙に挑む人が増えてほしい
2027年4月には、統一地方選挙がある。
『銀河の一票』をきっかけに、現実の選挙に挑む人が増えてほしいと思っている。
暮らしのしんどさを知っている人。働きながら、ケアをしながら、今の制度に疑問を感じてきた人。そういう人の経験が、議会でもっと言葉になってほしい。
もちろん、立候補にはお金も時間も必要だ。「あなたも出ればいい」と簡単には言えない。生活を守りながら参加できる条件を整えることも、大事な課題だと思う。
そして、候補者を支えることも政治参加だ。話を聞く、得意なことで手伝う、政策を調べる、身近な人と選挙の話をする。
自分にできる関わり方を持つ人が増えることが、挑戦する人を支える力になるのだと思う。
ドラマを観たあとに、自分の街ではどんな人が議員をしているのか、次の選挙には誰が挑もうとしているのか、少し調べてみる。そんなふうに、画面の向こうの物語と自分の暮らしがつながったらいいなと思っている。
あわせて『ポリティカルパン』も
ここまで『銀河の一票』をすすめてきたけれど、もう一本、先日Netflixで観た『ポリティカルパン』も紹介したい。
不透明な「政治の金」を狙う女怪盗を主人公にした作品だ。選挙を描く『銀河の一票』と、政治のお金を扱う『ポリティカルパン』。入り口は違うけれど、どちらも政治に目を向けるきっかけになってほしい。
政治の話をするために、最初から何もかも知っている必要はない。「このドラマ、面白かったよ」から話せることにも、意味があると思う。
自民党の改憲発議に向けた動きも、気になっている
私が「来年の選挙まで待っていればいい」と思えないのは、憲法をめぐる動きにも危機感があるからだ。
高市首相は2026年4月の自民党大会で、翌年の党大会までに憲法改正の発議にめどを立てたいという意向を示している。
また、全労連が10月22日に公表した国会行動の報告には、翌年の自民党大会が2月21日に開催される見通しへの言及がある。ただし、これは「その日に改憲発議が確定している」という意味ではない。
憲法改正の発議をするのは国会だ。衆参それぞれで総議員の3分の2以上の賛成が必要で、その後の国民投票でも、賛成票が賛否の有効投票総数の半数を超える必要がある。
国民投票になれば、自動的に改憲が決まるわけではない。
だからこそ、もう決まったことのように受け止めたくない。一方で、「まだ先の話」として放っておくこともしたくない。
何を、どう変えようとしているのか。その変更は、誰の権利を守り、誰の権力を強めるのか。私たち自身が確かめ、話し合う時間が必要だと思う。
正直、時間に余裕があるとは思っていない。来年の選挙が近づいてから考えればいい、と悠長には構えていられないと感じる。
『銀河の一票』の物語を入り口に、現実の政治にも目を向ける人が増えてほしい。
そして来年、自分たちの暮らしのために選挙に挑む人と、その人を支える仲間が、少しでも増えてほしいと思う。













