私がもう派遣を選ばない理由――高時給の裏で、静かに削られていくもの
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派遣という働き方を、私は頭ごなしに否定しない。
実際、生活をつないでくれた時期もある。

それでも今は、はっきりと思っている。
私はもう、派遣を選ばない。

理由は単純だ。
私の中で、引き合わなくなった。


この記事の目次

派遣は「高時給」に見える。でも、それだけだった

求人を見ると、派遣の時給は高い。
事務職でも1,600円、1,800円。

直雇用と比べれば、確かに魅力的だ。
でも、その数字だけを見て判断すると、見落とすものがある。

派遣は、会計上「人件費」ではなく外注費として扱われやすい。
社会保険、福利厚生、解雇リスク。
そうした“面倒な責任”は、派遣会社側に押し出されている。

企業にとって派遣は、
高く払っているようで、実はコントロールしやすい存在だ。


「派遣だから」という一言で、人としての線が引かれる

私が派遣をやめようと思った一番の理由は、
構造の話だけではない。

現場で、人として扱われていないと感じる瞬間が、あまりにも多かった。

「派遣だから、ちょっと重たいタスク振ろう」
「派遣だし、ここは我慢してもらおう」

怒鳴られるわけでもない。
露骨に差別されるわけでもない。

でも、
「ここまで雑に扱っていい存在」
として線を引かれている感覚が、確かにあった。


15分区切りで“人”を削る現場

今でも忘れられない光景がある。

派遣社員は時給制だから、
15分単位で管理される現場だった。

  • 14分間はきっちり仕事をさせる
  • 15分になる前に「もういいから切って」
  • タイムカードは秒単位で厳密

働いているのに、
賃金が発生しない時間を意図的につくる。

それが、特別なことではなく
“運用”として存在していた。

法律の話以前に、
私は強烈な違和感を覚えた。

これは労務管理ではなく、
人の尊厳を削る設計じゃないか、と。

1分単位で管理される時代でも、起きていたこと

補足しておくと、
今は多くの現場で「勤怠は1分単位でカウントする」のがルールになっている。

15分未満は切り捨て、というような
露骨な制度は、表向きはなくなった。

でも、私が経験した現場では、
ルールは守られている“ことになっている”だけだった。

派遣社員は時給制だから、
時間管理には異様に厳しい。

  • 仕事はギリギリまで振られる
  • 「もういいから切って」と言われる
  • その後に発生する片付けや待機はカウントされない

形式上は1分単位。
でも実態としては、
働いているのに賃金が発生しない“グレーな時間”が常にあった。


問題は制度ではなく、「誰に我慢させるか」が決まっていること

これは、
「15分区切りか」「1分単位か」という話ではない。

本質はそこじゃない。

  • その数分は誰が吸収するのか
  • その負担を誰に押しつけるのか

答えは、ほぼ決まっている。

派遣だから。
文句を言いにくい立場だから。
更新を気にする側だから。

法律の網はすり抜けない程度に守りながら、
人の時間だけが、静かに削られていく。

私はその光景を、何度も見た。


労務管理の話ではなく、尊厳の話だと思った

違和感の正体は、
「数分損した」ことではない。

  • この人の時間は、軽く扱っていい
  • 多少ズレても、黙って飲み込むだろう

そういう前提で設計されている現場に、
自分が置かれていること自体が、つらかった。

これは労務管理の問題というより、
人をどう扱っているかの問題だと思った。


声を上げると「面倒な派遣」になる構造

おかしいと思っても、簡単には声を上げられない。

  • 派遣会社に言えば「波風を立てないでほしい」
  • 現場で言えば「契約更新、どうする?」という空気
  • 次の仕事が来なくなるかもしれない不安

結局、
飲み込むしかない構造ができあがっている。

「派遣は気楽」
「派遣は自由」

そう言われることも多いけれど、
その自由は、黙って従う人にだけ許される自由だった。


高時給でも、積み上がらないものがある

派遣は、その日その月の生活を支えてくれる。
でも、数年単位で見たとき、

  • 評価が蓄積されない
  • 経験が資産になりにくい
  • 社内での信用が残らない

「今」は助かっても、
「先の自分」を支える感覚が持てなかった。

私は、
もう少し長い時間軸で、自分を扱いたくなった。


派遣が向いている人も、確かにいる

誤解はしてほしくない。

派遣という働き方が
救いになる人も、戦略になる人も、確実にいる。

  • 期間限定で働きたい人
  • 組織に深く関わりたくない人
  • ライフイベントの合間に収入を得たい人

派遣が悪なのではない。
私に合わなくなっただけだ。


私は「人として扱われる場所」を選びたい

今の私は、

  • 情報が共有される
  • 意見を言っても切られない
  • 責任と裁量がセットで渡される

そういう場所で働きたい。

時給が少し下がっても、
精神的な消耗が減るなら、そのほうがいい。


これは弱さじゃない。生存戦略だ

我慢できなかったからでも、
耐性がなかったからでもない。

これは、自分を守るための判断だ。

もし、これを読んで

  • 「私も似た経験がある」
  • 「でも、言語化できなかった」
  • 「自分が甘いのかと思っていた」

そう感じた人がいたら、伝えたい。

あなたの感覚は、おかしくない。
そういう構造は、確かに存在する。

それを知った上で、
どこに身を置くかを選ぶ。

それが、
この不安定な時代を生き延びるための
ひとつの生存戦略だと思っている。

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