日本の新卒一括採用制度と海外のジョブ型雇用の話。いずれ訪れる「できる人しか雇わない社会」

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今回は世間話がてら日本の新卒一括採用制度について話します。

こちらのブログを読んでくださっている方は働いてらっしゃる方が多いかと思うのですが
新卒一括採用制度とは企業が高校や大学を卒業する学生を採用する制度ですね。
日本の高校・大学は卒業が3月、企業の入社は4月。
スムーズに学校を卒業して翌月は新卒会社員!となります。

新卒採用制度の良さといえば大半の企業が学生に「専門性」を求めないことでしょうか。
入社した後に会社員のいろはや、職種によって専門スキルをゼロから教育してもらえるんです。
だから学校で職種とは全然違う専攻をとっていても、入社後に学んでいけばいいよ〜というスタンスなので
新卒制度って「何も知らない赤ちゃん社員を会社が仕事ができる人に育ててくれる」システムなんですね。

で、経団連の方針で今後は欧米のジョブ型雇用に変化していくというニュースをちらりと見ました。
日本的雇用崩すジョブ型 経団連が導入促す 人事・組織の見直し不可欠|日本経済新聞
経団連が2020年春季交渉指針 日本型雇用制度を見直し|三菱総研DCSの人事給与BPO

私の就職活動の話
私も何年も前に一応4年制の大学に入学・卒業して、新卒入社で入社しました。
就職活動は大学の3年生の秋頃からスタートしていました。


合同説明会に行ってみたりとか、エントリーシート書いたりとかで忙しく過ごしていたし焦っていました。
周りの友達や、学校側も就職フェアを開いたりして「なんとなく流されて就活を始めた」というのが正しいかな。

せっかく大学入ったのに(私はあまり真面目な学生ではなかったけど)まだ大学3年の学生でいられる大切な時間を、就職活動で費やしてしまうのってとてももったいないんじゃないかと思うようになりました。

マイナビ・リクナビ系のシステムを使った就活が一般的で、思い返せばあまり良い求人もなくて、なんとか一応内定をもらったのですが、入社して配属された部署が女の園でストレスフルで3ヶ月で退職しました。
大学3年から頑張って就活しても結局合わなくて辞める可能性があるってことは、大学生活をきちんとまっとうした方が知識を持った人になれたのでは…と思います。

この記事の目次

外国の就活は「ゆっくり就職」がトレンド

欧米の大学でも仕事探しは大学を卒業して世界一周とか、旅行をした後に就職活動をするようです。
また、経済成長と変化が著しい中国の大学も「ゆっくり就職」する学生が増えることによって
在学中の勉強がより充実して行えるようになったとのことでした。
大卒者、今年のトレンドは「ゆっくり就職」

大学を卒業してすぐ会社に入って働き始めるのではなく
世界中を旅行したり、社会活動に参加してみたり、自分の見聞を広げて人生の幅を広げて豊かにしてから企業に勤めて新しい価値を創り出す選択も素晴らしいと思います。

日本の就職って、末端社員としての素質だけが必要なら、見聞の広い学生なんか必要ないんでしょうね。
変に世の中や社会のことを知らない方が会社のカラーに染めやすいというのもあるでしょう。
新卒一括採用て企業側が育成・管理がしやすくて便利な点もあるのかもしれませんね。
でももうそんな時代も終わろうとしているように思います。

企業側も求職者も、社会も変化を受け入れて柔軟になっていく必要があるんじゃないかな。
その波にうまく乗れるかどうか。

新卒一括採用とジョブ型雇用

日本の労働社会って欧米のように「あなたにやってもらう仕事はこれとこれです。」ってジョブディスクリプションを用意しないので
仕事の幅に際限がない、いくらでも仕事が降ってくるような状態なんですよね。

ジョブ型雇用だと会社が求めているスキルっているのがきちんと決まっていて、仕事の内容も決まっているし、求職者がそのスキルを持っていなければ雇わないってシンプルな話です。
日本の求人でよく見る「ポテンシャル採用」が存在しないってことですね。
「やる気だけはあります!」が通用しません。やることが決まっているのでできない人は雇わないよとなるわけです。
人を育てるという感覚がないわけです。もともとスキルを持っている人を採用する。できなければクビ。

そう考えると新卒一括採用制度って、何もできない赤ちゃんを育てる優しい制度だったわけですね〜…
終身雇用制ありきの制度なので、その一つの会社で勤め上げることが前提だから
「その会社では通用するけど他社では通用しない人材」であることも往々にしてあるわけです。

新卒一括採用制度もジョブ型雇用も一長一短ありますね。

今まで日本の新卒一括採用制度は何も専門知識がない人でも、終身雇用制で定年まで添い遂げてくれる社員を会社がしっかりビジネスマナーや専門スキルも教えますよって子育てみたいな採用を行なってきたけれど
時代の変化によって終身雇用制は崩壊したも同然で、日本の労働社会も新卒一括採用ではなくジョブ型雇用(すでに職務に必要な専門性スキルを持った人を雇用するスタイル)に変化していくのではないかと言われています。

専門スキルを学ぶ場がもっと増えないといけない

世の中がジョブ型雇用になって「○◯できる人だけ雇います」というのなら、「じゃあその専門性スキルはどこで学ぶのさ?」と思いますよね。
自費で高いお金出してスクールに通わないといけないの?ともなります。
実務により近い(企業は即戦力即戦力とうるさいので)専門スキルを学ぶ場が必要になってきますよね。

ジョブ型雇用にすれば企業は新卒を育てるコストを負わなくて済むけど、
専門性スキルもない・職歴もない若い人は就職の際にすごく不利になってしまいますよね。

みんな小中高で勉強した後に、大学であったり、専門性のあるスキルを学べる機会をもっと国側が環境を整えるべきだと思います。

職業訓練の種類をもっと豊富に増やすとか、色々就職につながる学びの場を安価で用意しないと
ジョブ型雇用の波にはじかれて苦しい思いをする人が増えるのではないでしょうか。

中途採用向けにも資格支援や実務に活かせる職業訓練をもっと充実させてほしい

私はすでにいわゆる新卒の特別切符をすでに使い終えているので企業に勤める場合には中途採用になるわけですが
いろんな経験をしてきたので、その職歴と自分のスキルを証明していく必要があるんですね。
どうやって自分のできることをアピールするかがすごく大事で、
自分の価値を認めてくれる企業とのご縁を大切にしたいと思っています。

私も求職者支援訓練という職業訓練でWEBデザインを学んで、そこで得た基礎知識をいかして仕事をしています。
また、放送大学の授業で興味のある分野(心理・情報)を学んでいます。
これが全てこれからの仕事につながるとはそこまで考えておらず生涯学習として自分の趣味で学んでいる部分もありますが
仕事につながる学びの場がもっと増えると良いなと思います。

また、雇用保険を活用した専門実践教育訓練給付金を利用して専門学校に入学して国内/海外でも使える国家資格を取得しようと考えています。

一応自分で制度をいろいろ調べて使えるものは使ってスキルや知識を身につけてより良い生活と人生を手に入れるためにジョブハンティングしようと思っています。

私自身いろいろ模索していますが、多分今後まだまだ働く必要のある世代の人は自己研鑽や自分で情報や新しい技術を身につけていく姿勢でいた方が時代に取り残されて苦しい思いをしなくて済むのではないかと思います。

ジョブ型雇用が進むと資本主義でお金になる仕事にしかみんな就職しなくなるし、学校選びの際も自分の学問的な興味関心があるものより「食っていけるか」「仕事につながるか」という観点で選ぶようになるでしょうね。
儲からない学問をやる人が少なくなるだろうし研究にもお金が投入されなくなるんだろうなと思っちゃいますね。。

自分が学びたい学問を修めた後に就職にむけて職業訓練スクールに通ってもOK!みたいな風潮に変わっていくといいな。
すぐに役に立たないこと、お金にならないものでも、人生を豊かにしてくれることってたくさんあるじゃないですか。
やりたいことや学びたいことは全部やればいいし、働きたいと思った時にその職種のためのスクールにアクセスしやすくなっているといいですね。

日本って生き急いでる人が多いし社会もそれを急かしてくるけど
気にしないで自分のやりたいように生きる人が増えればだんだんと社会も受け入れる土壌ができてくるかな。

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