
この記事の目次
― 利益ではなく「トップの機嫌」が優先される構造の話 ―
組織って、何のために存在しているんだろう。
利益を出すため。
価値を提供するため。
働く人が安心して力を発揮できるため。
たぶん、建前はそうだ。
でも現場にいると、ときどき違和感を覚える瞬間がある。
「この組織、本当に成果を目指しているのかな?」と。
■ 気働きで成り立つ組織
ある治療院で見た光景がある。
女性スタッフたちはとても優秀で、気働きができる人たちだった。
院長が気持ちよく働けるように、空気を整え、先回りし、言葉を選ぶ。
そのおかげで現場は穏やかに回っていた。
でも、ふと思った。
これは本当に「健全な運営」なんだろうか?
誰かが常に空気を調整し続けないと回らない組織は、
一見平和でも、どこか不安定だ。
■ 痛いことを言う人が敵になる瞬間
その組織では、厳しい指摘をする人がいた。
利益のこと。
営業のこと。
環境整備のこと。
本来なら組織を良くするための意見だったと思う。
でも、その人はトップから嫌がらせを受けるようになった。
問題提起は「改善提案」ではなく、
「空気を乱す行為」に変換されていた。
気づいたのは、組織の目的がすり替わっていたことだ。
利益の最大化ではない。
患者さんへの価値でもない。
そこにあったのは、
「トップを不快にさせないこと」
だった。
■ いじめを見る側の消耗
私はその人と特別仲が良かったわけではない。
でも、いじめはするのもされるのも、見るのも嫌だった。
だから少しだけ助け舟を出した。
それは正義感というより、
「ここで何も言わない自分になりたくなかった」
ただそれだけだと思う。
ただ、こういう状況にいると、
直接当事者じゃない人も確実に消耗していく。
組織の空気は、静かに人のエネルギーを削る。
■ 組織構造のズレ
こういう現象は、個人の性格の問題ではない。
構造の問題だ。
トップの感情が組織の中心に置かれると、
- 改善提案は批判に見える
- 沈黙が評価される
- 気遣いが見えない労働になる
結果として、組織は短期的には平穏でも、
長期的には弱くなる。
なぜなら、本音が上に届かないから。
■ 男性トップだから、ではない
これは性別の話ではない。
でも現場では、
成果やロジックを重視するトップと、
関係性を調整する現場側、という分業が起きやすい。
問題は、その「調整」が仕事として認識されないことだ。
気遣いが存在していることにトップが気づかなければ、
それは永遠に見えない労働のままになる。
■ 生存戦略として考える
じゃあ、どうするか。
組織を変える?
戦う?
距離を取る?
正解は一つじゃない。
ただ一つ言えるのは、
機嫌を守ることが目的になった組織で、
改善し続けようとする人ほど消耗する。
だから私は最近、こう考えている。
- 空気よりも仕組みで評価される場所を持つこと
- 自分の裁量がある仕事を少しずつ増やすこと
- 組織を変えようとしすぎないこと
それも立派な「生存戦略」だと思う。
■ これは愚痴ではなく、観察記録
この話は、誰かを悪者にしたいわけじゃない。
ただ、現場で起きている構造のズレを、
自分の目線で記録しておきたかった。
組織は人でできている。
だからこそ、
気遣いがあることを認識できる組織は強いし、
それを当然だと思った瞬間から歪みが始まる。
そんなことを、最近よく考えている。














