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WEBマガジン「They say」で、気になる記事を読みました。

「思想に投資するって、ありかもしれない」——“戦争で上がる株”じゃなく、“支持したい企業”にお金を置いてみる会

投資経験の異なる編集部のメンバーが、利益だけでなく、企業の考え方や姿勢への共感から投資先を考える記事です。

この記事を読んで、私は「どこに投資するか」と同じくらい、「どこには投資しないか」を大切にしたいと思いました。

私自身も、投資はお金を増やす選択肢だと思っている

私は、株式投資をお金を増やすための選択肢のひとつとして、いいものだと思っています。

企業がどんな事業を行い、何によって利益を出しているのかを知るきっかけにもなる。自分の暮らしに合った株主優待を上手に使う楽しみ方もあると思います。

私自身、iDeCoは利用していませんが、NISAで積み立て投資をしています。NISAの対象となる運用益が非課税になる仕組みを利用しながら、少しずつ資産形成に取り組んでいます。www.fsa.go.jp

もちろん、投資なので減ることもあります。それでも、利益を再び運用に回し、その利益がさらに利益を生む「複利」の仕組みを、自分のお金を通じて学ぶことには意味があると思います。

だからこそ、投資先を考えるときに、利益だけでなく、自分の価値観も持っていたいのです。

戦争を「買い時」として見ることへの違和感

資産を増やしたい。将来に備えたい。生活に余裕がほしい。

その気持ちは、私にもあります。投資をすること自体が悪いとは思いません。

ただ、戦争が起きたときに、まず「どの株が上がるだろう」と考えることには、やはり引っかかります。

そこで起きているのは、誰かが家を失い、家族を失い、命を奪われる出来事です。それを「利益を得るチャンス」という言葉だけで扱ってしまっていいのだろうか。

世界情勢と株価の関係を知ることと、戦争によって利益が増えることを喜ぶことには、距離があるはずです。その距離を、自分の中でなくしたくありません。

「儲かるかもしれない。でも、私はここには投資しない」

戦争ビジネスを行う企業に対して、そういう意思を持つことも大事だと思います。

自分のお金を、どんな社会につなげたいか

記事の中では、企業や経営者の姿勢を手がかりに、応援したい投資先を探しています。

私はこの「何を支持するか」という問いがいいなと思いました。

平和を大切にすること。働く人を尊重すること。差別を減らすこと。環境への負荷を小さくすること。

利益以外にも、企業を見るときに大切にしたいものはあります。

もちろん、共感できる理念が掲げられているだけで、その企業のすべてを肯定できるわけではありません。経営者の発言に好感を持っても、実際の事業や労働環境は別に確かめる必要があるでしょう。

「応援したい」と思ったあとも、その企業が何をしているのかを見続ける。理念への共感を、実態への関心につなげていくことが大事なのだと思います。

株主になる前から、私たちは生活者であり、働く人でもある

私が「株主資本主義に飲み込まれないでほしい」と思うのは、株主としての利益だけを、自分の判断の中心に置いてほしくないからです。

投資家としては、利益が増えることを期待するかもしれません。でも、働く人としては、きちんと賃金を受け取り、十分に休み、安心して働きたい。生活者としては、安全な商品やサービスが必要です。そして、市民としては、戦争のない社会で暮らしたい。

そのどれもが、私たち自身の願いです。

もし、投資先の利益が増える一方で、そこで働く人が疲弊していたら。誰かの権利が踏みにじられていたら。戦争の拡大が、その企業にとって好材料になっていたら。

自分の資産が増えるという理由だけで、それを歓迎したくはありません。

株を持つようになっても、働く人の側に立つ感覚や、他者の苦しみに立ち止まる感覚を手放さずにいたいと思います。

国が勧める制度も、疑問を持ちながら使いたい

もうひとつ、私が大切にしたいのは、国が勧める制度だからといって、無条件に信用しないことです。

NISAは現在、制度が恒久化され、対象となる運用益は非課税です。一方、iDeCoは掛金や運用時に税制優遇があり、受け取る際には控除が適用されますが、受取額などによって課税されることもあります。両者を「増えたお金をすべて非課税で受け取れる制度」として一括りにはできません。www.fsa.go.jp

また、NISA口座の開設にはマイナンバーの告知が必要で、非課税保有限度額は国税庁が管理しています。金融機関から税務署への報告の仕組みもあります。ただし、それをもって、国が個人の財産や日々の損益をすべてリアルタイムで把握している、とまでは言えません。www.nta.go.jp

それでも、資産に関する情報が行政に集まり、どう使われるのかという点には、私は警戒心があります。

以前、クリス松村さんが、マイナンバーと資産情報の結び付きに対して、自分の財テクまで知られることへの疑問を口にしていたのを覚えています。その違和感には、私も共感します。

税務上必要な情報の把握と、個人の資産情報をどこまで集め、何に利用してよいのかは、きちんと考えたい問題です。

私は、国民の生活を支えることよりも、国民からさらに負担を取ることが優先されるのではないか、という不信感を持っています。だから、「非課税だから安心」と、将来まで何も考えずに任せる気にはなれません。

今後、非課税の扱いや受取時の税制が不利に変わらないか。情報が当初の目的を超えて利用されないか。そうした点を見続けたいと思います。これは、NISAの利益への課税が決まっているという話ではなく、制度変更に対する私自身の懸念です。

制度の利点は利用する。でも、制度を勧める国への批判や疑問は手放さない。

NISAやiDeCoを使うことと、国の政策を支持することは別です。自分の暮らしに合うかを判断し、変更があれば確かめる。その姿勢を持ちながら使いたいと思います。

「投資しない」も、自分の意思になる

これから投資を始める若い人たちにも、「どこが儲かるか」と一緒に、「自分は何を支持したいか」を考える余地があってほしいです。

すべてを調べきることも、問題のない企業だけを選ぶことも、簡単ではないでしょう。だからといって、何も考えなくていいとは思いません。

まずは、ひとつでも自分の基準を持つこと。

「この事業は応援したい」「このやり方には賛同できない」「利益が出そうでも、ここにはお金を置かない」。そう判断する自由を、大切にしていいはずです。

自分ひとりが買わないことで、すぐに企業や社会が変わるとは限りません。それでも、自分の選択を言葉にして共有することには意味があると思います。

何で利益を得ているのかを問い、そのお金の流れに賛同するかどうかを考える。その問いを、投資の話の中にも持ち込みたい。

お金を増やしたいという願いと、平和に暮らしたいという願い。どちらも持っているからこそ、前者のために後者を忘れたくありません。

「儲かるけれど、投資しない」。その意思を持っていたいと思います。

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