伊勢崎賢治さんが、防衛大臣だったらいいのにな。
最近、その思いがますます強くなっています。
伊勢崎さんは、2025年の参議院選挙にれいわ新選組の比例代表候補として出馬し、当選しました。現在は、いのちの党に所属する参議院議員です。
選挙のときにも期待していましたが、国会や海外での活動を見ていると、改めて思います。
この方が国会にいてくれて、本当によかった。
「戦争を知らない人」が防衛を語る危うさ
「防衛」という言葉を聞くと、武器を増やすこと、軍事費を増やすこと、敵とみなした国に強い態度を取ることばかりが語られます。
けれど、本来の防衛とは、戦争を始めないことではないでしょうか。
国民の命を守ること。
自衛隊員を死なせないこと。
相手国の市民の命も奪わないこと。
武力衝突に至る前に対話を重ね、緊張を下げる。そのために外交の力を尽くすことも、重要な国防のはずです。
伊勢崎さんは、机の上だけで安全保障を論じてきた人ではありません。
東ティモールでは国連暫定行政機構の県知事を務め、シエラレオネでは内戦後の武装解除に携わり、日本政府の特別代表としてアフガニスタンの武装解除も担当しました。
実際の紛争地で、人が武器を持つ現実と、その武器を置かせることの難しさを知っている人です。
戦争の悲惨さも、平和をつくるために必要な地道な交渉も知っている。
そんな人にこそ、日本の防衛政策を担ってほしいと思うのです。
「避戦」という考え方
伊勢崎さんは、戦争をしない「非戦」だけでなく、戦争を避ける「避戦」の重要性を訴えています。
戦争は、ある日突然始まるわけではありません。
国家間の小さな衝突が起き、緊張と恐怖が広がり、相手国への憎悪があおられる。その空気を政治家が利用し、「対話を求める者は弱腰だ」と攻撃するようになる。
だからこそ、社会が戦争の空気にのみ込まれる前に、対話を続けなければならない。
たとえ相手が、アメリカから制裁を受けている国であっても、実際にその国へ足を運び、相手の言葉を直接聞く。
伊勢崎さんは2026年9月、キューバを公式訪問しました。
現地の子どもたちの声を聞き、キューバ側の人々とも直接対話する。こうした行動こそ、私は外交だと思います。
日本がすべきなのは、アメリカの顔色だけを見て歩調を合わせることではありません。
日本自身の判断で各国と対話し、武力衝突を避けるための道を探ることです。それが、日本の国民を守ることにもつながるはずです。
防衛大臣に必要なのは、戦争を始める勇ましさではない
伊勢崎さんを防衛大臣に、と書くと、「平和主義者に国を守れるのか」と言う人もいるかもしれません。
でも私は、逆だと思います。
戦争の現場を知らず、威勢のいい言葉を並べる人よりも、紛争がどのように始まり、どうすれば終わらせられるのかを知っている人の方が、国を守る仕事にふさわしい。
伊勢崎さんは、自衛隊の現場や安全保障の実務を否定しているわけでもありません。国会では自衛隊員の安全確保や、外国軍による国内基地の使用を日本が主体的に判断する「国防の主権」についても具体的に問い続けています。
平和を願うことと、安全保障の現実を見ることは、矛盾しません。
本当に必要なのは、武器や脅威を語って国民の恐怖をあおる人ではなく、戦争を避けるために最後まで対話を続けられる人です。
敵とされた相手の懐へ入り、直接話を聞く。
同盟国に対しても、必要なら「それは日本の国益に反する」と言う。
そして何より、日本に暮らす人々と自衛隊員の命を、政治的な勇ましさのために差し出さない。
そんな防衛大臣がいてもいい。
いや、本来、防衛大臣とはそういう人であってほしい。
伊勢崎賢治さんが国会にいてくれて、よかった。
いつかこの国で、戦争を知る人、そして戦争を避ける方法を知る人が、防衛大臣を務める日が来てほしいと願っています。
「恐怖」を利用する政治に流されないために
8月29日に行われた三好りょうさんとの講演会で、伊勢崎さんは、戦争へ向かう空気と政治について問われ、「恐怖は政治家にとって集票に利用しやすい」という趣旨の指摘をしていました。
「中国が攻めてくる」「このままでは日本が危ない」といった言葉を繰り返し聞けば、私たちは冷静に考えることが難しくなります。恐怖が大きくなるほど、軍備を増やすことや、対話を拒むことまでが「仕方がない」と思えてしまうからです。
だからこそ、感情を強く揺さぶる情報に出会ったときには、一度立ち止まる必要があります。
一つの動画や、自分の考えに近い新聞だけを信じるのではなく、政府が公表している資料や立場の異なる複数の報道、可能であれば海外の情報にも当たってみる。
平和を守るために必要なのは、ただ「戦争反対」と唱えることだけではありません。恐怖に流されず、事実を確かめ、自分の頭で考え続けることも、市民にできる大切な「避戦」の一つなのだと思います。














